住まいの環境デザイン・アワード2010−人と環境と住空間デザインの真の融合をめざして−

グランプリ

豊崎長屋

設計:大阪市立大学生活科学研究科 竹原・小池研究室
施工:山本博工務店

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大阪市の中心部に残っていた大正時代の長屋4棟15戸に、耐震補強と住戸改修を施して再生したプロジェクト。戦災や震災を免れてきた長屋を、単に文化的価値から「保全する」だけではなく、さらに将来へと「受け継がれていく」ことを旨に計画を練った。
まず、傷みの激しかった建物を丹念に調査して、限界耐力計算法による耐震補強を実施。続いて、空きが出た住戸から順次、内部の全面的な改修に着手していった。その際、長い年月の間に、住人によって増築されていた個所を“減築”して、採光や通風を確保した。設備も一新し、一部ではガス温水床暖房も設置している。
改修後、新たに若い住人が入居し、高齢者に偏っていた居住者間に、路地を通じた長屋ならではのコミュニティが戻ってきている。

審査講評

時間をかけて蓄積されたその場の魅力を、将来に継承していくことも、広い意味での環境デザインととらえられる。耐震補強をデザインとして生かしており、今後の改修の手本になりえる。光や風といった自然とのかかわりから人間本来の感受性を呼び戻したり、改修を機に住民同士の交流を生んだりしており、建築の力を感じさせてくれる。

DATA

所在地 : 大阪市北区
家族構成 : 夫婦、親子、単身、シェアなど
敷地面積 : 989.12m2
住戸数 : 15戸(うち4戸を改修)
住戸面積 : 24.45〜61.47m2
構造・階数 : 木造、地上2階
建設年 : 1924〜25年
改修時期 : 2008年5月(銀舎長屋)、09年5月(風西長屋、風東長屋)

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写真=絹巻 豊、大阪市立大学生活科学研究科 竹原・小池研究室

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