住まいの環境デザイン・アワード2010−人と環境と住空間デザインの真の融合をめざして−

グランプリ

下町2つ地面の家

設計:金谷 直政/かなや設計
施工:直営による分離発注

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密集した下町の路地に建つ3階建ての狭小住宅。屋上を「もう一つの地面」と位置付け、温熱環境への寄与だけでなく、家族がバーベキューなどを楽しめる場としても生かしている。各階の室内壁には、蓄熱材を内蔵したオリジナルの放射冷暖房パネルを設置。その総面積は、延床面積の50%に相当する。熱源機の運転をタイマーで制御して、パネルの蓄熱と放熱とを切り替える。完成後も、暮らしの中で最適な運転パターンを模索している。

審査講評

下町の密集地に建つ狭小住宅で、緑や光、風といった自然環境を採り入れたり、独自の放射冷暖房を考案したりして、積極的にチャレンジしている点は評価に値する。放射冷暖房は、現在も改善を模索しているとのことで、今後に期待したい。

DATA

所在地 : 東京都墨田区
家族構成 : 夫婦+子ども3人
敷地面積 : 53.25m2
建築面積 : 40.26m2
延床面積 : 117.98m2
構造・階数 : S造、地上3階
完成 : 2009年4月
設備 : エコジョーズ

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写真=金谷直政

上大須賀の家

設計:谷尻 誠/SUPPOSE DESIGN OFFICE
施工:ホームテック

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3階建ての建物の最上階を全面改修したプロジェクト。フロア全体を“敷地”と見立てて、その内側に“新築の家”に当たるLDKを配置。LDKの外側を半屋外的な土間空間とする一方で、LDKは床よりも一段高くし、さらに大きな垂れ壁で囲んでいる。入れ子のような構成にすることで、滞在時間の長いLDKの熱環境を安定させて消費エネルギーを抑え、明るさを保ちながら外部の騒音を和らげている。

審査講評

縁側のような半屋外空間を大きくとったことで、特定の機能を持つ部屋の面積は減っている。しかし、用途を限定しない縁側の存在は、むしろ空間を豊かにしており、外部環境との関係や、実際の住まわれ方を見てみたい気がした。

DATA

所在地 : 広島市南区
家族構成 : 夫婦
敷地面積 : 116.15m2
建築面積 : 92.66m2
改修住戸の面積 : 90.89m2(3階建ての3階部分)
構造・階数 : RC造、地上3階
建設年 : 1974年
改修時期 : 2009年6月

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写真=矢野紀行/Nacasa & Partners

等々力の住宅

設計:浜田 隆弘/一級建築士事務所71
施工:黒田工務店

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小住宅でありながら、中庭を挟んで様々な環境の空間を用意し、季節や生活の場面などに応じて、住まい手が快適な居場所を見つけられるように工夫している。前庭の落葉樹や屋上緑化、中庭上部の植栽ネットといった緑を各所に採り入れ、夏の日射遮へいと通風を促している。一方の冬は、高い断熱性を確保した建物内にガス温水床暖房を設置して、エネルギー消費を抑えつつ快適に暮らせるようにしている。

審査講評

都会の狭小住宅で、温熱環境や植栽をはじめ、多彩な環境デザインをバランスよく盛り込んでいる。小住宅の中庭は、とかく井戸の底のように陰湿になりがちだが、建具のつくりなどが上手で、明るく快適そうなつくりになっている。

DATA

所在地 : 東京都世田谷区
家族構成 : 夫婦+子ども2人
敷地面積 : 72.00m2
建築面積 : 42.75m2
延床面積 : 117.28m2
構造・階数 : S造、地上3階
完成 : 2009年3月
設備 : エコジョーズ

図図

写真=浜田隆弘

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